ひきこもり支援者・研究者向けツールの紹介

ひきこもり研究ラボ@九州大学(加藤隆弘代表)では、ひきこもり支援者や研究者向けにひきこもり評価のための各種ツールを開発・提供しています。
現場でのひきこもり支援や研究にお役立てください。

ひきこもり尺度 HQ-25

HQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire )

ひきこもり研究ラボ@九州大学では、米国オレゴン健康科学大学OHSUのアランテオ博士(Associate Professor Teo R. Alan, MD, PhD)との共同研究として、ひきこもり度を自ら簡便に評価できる自記式調査票HQ-25を開発しています。

HQ-25は、「社会性の欠如」「孤立」「情緒的サポートの欠如」という3因子からなります。九州大学病院気分障害ひきこもり外来で実施した調査では、238名の臨床患者(ひきこもり状況にある者を含む)およびコミュニティーサンプルの中で「ひきこもり」の基準を満たすカットオフ値は44点でした。

ご自身のひきこもり度のチェック、あるいは、ひきこもり支援や研究等でご活用ください。コロナ禍におけるメンタルヘルスのチェックにも活用いただけます。HQ-25は自由にご使用いただけますが、研究として使用される際には論文執筆に際してAcknowledgeにご記載ください。

HQ-25は、日本語版・英語版に加えて、韓国語版・中国語版・イタリア語版・フランス語版など世界中に拡がりつつあります。
外国語版HQ-25に関しては、アランテオ准教授のサイトをご覧下さい。

「新型/現代型うつ」気質評価尺度(TACS-22)

ひきこもり研究ラボ@九州大学では、ひきこもりと深く関連する症候群として、「新型/現代型うつ」に関する臨床や研究もすすめています。
ラボでは、「新型/現代型うつ」の特徴(性格気質)を簡便に評価できる自記式調査票TACS-22も開発しています。
こちらも併せて、臨床や研究でご活用ください。

病的ひきこもりの国際診断基準

Pathological Social Withdrawal (Kato TA et al. World Psychiatry 2020)

ひきこもりの予防や支援において、ひきこもり状態の適切な把握が何より重要ですが、家庭や地域における臨床現場ではその評価は容易ではありません。ひきこもり研究ラボ@九州大学では、支援が必要なひきこもり状態にあるかどうかをスムーズに判断できるようにするために、「病的ひきこもり(hikikomori: pathological social withdrawal)」の定義(表1)を開発し、現在精神医学領域で最も影響力のある国際医学雑誌World Psychiatry誌に提案しました。

この定義では、物理的撤退(外に出ないこと)を必須項目とし、それ以外は補足項目とし、併存する精神疾患の有無を問わないとすることで、専門家でなくても簡便に評価できるようにしました。この新しい定義を用いて、補足項目を含む詳細な評価を実施することで、一人一人の状態(ステージ:図)に応じた個別性の高い適切な支援が提供しやすくなることが期待されます。
今回の定義では、コロナ禍により在宅ワークとなった会社員、オンライン学習している学生、高齢独居者や主婦も「病的ひきこもり」の基準を満たす可能性があります。特に、今回の定義により、コロナ禍の巣ごもり状態が「病的ひきこもり」か否かの適切な評価が可能になるため、コロナ禍においてステイホームを余儀なくされている人々の早期発見・早期支援に役立つことが期待されます。

(注釈:なお、自宅にひきこもっているが人の少ない深夜に毎日20分程度コンビニへ外出する場合には、週4日以上外出すると評価してしまうと今回の定義では「病的ひきこもり」からは外れてしまいかねません。従って、こうした短時間の外出は、定義上の外出には加えないことを今回の診断基準に新たに補足しました。)


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