家族・支援者向けひきこもり診断評価ツール(HiDE-SF)
HiDE-SF
ひきこもり研究ラボ@九州&北海道では、「病的ひきこもり」であるかどうかを厳密または簡便に評価できるツール「HiDE(Hikikomori Diagnostic Evaluation)」を独自に開発してきました。これまでに、研究者や支援者が活用できる構造化面接法(HiDE-I)および自記式スクリーニング票(HiDE-S)を公開しており、HiDEは2023年10月にWorld Psychiatry誌でも紹介されました。
このたび私たちは、家族の方がご本人の状況を把握するための補助ツールとして、新たに HiDE-SF(Hikikomori Diagnostic Evaluation – Screening for Family) を開発しました。HiDE-SFは、家族の目から見たご本人の状態を簡便にスクリーニングできる質問票です。ご家族が抱える「これはひきこもりなのだろうか?」という悩みに対して、整理された視点を提供することを目的としています。
また、ポストコロナ時代においては、在宅ワークやオンライン授業といった生活様式が一般化しており、何らかの支援が必要な「病的ひきこもり」とは異なる「非病的ひきこもり(幸せなひきこもり)」も存在すると私たちは考えています(加藤隆弘『逃げるが勝ちの心得』木立の文庫, 2023年)。HiDE-SFでは、こうした新たなライフスタイルの可能性も踏まえながら評価が行えるよう工夫しています。
ご家庭や支援機関における状況整理や相談先選びの参考として、HiDE-SFをご活用いただければ幸いです。