『心のケアにたずさわる人が知っておきたい 精神系のくすり』(2021年12月17日メディカ出版より)

2021年12月18日

ひきこもり研究ラボ@九州大学は、グループ長が率いる九州大学精神科分子細胞研究室の活動の一環として研究を行っています。

研究室には、九大精神科・脳外科・脳神経内科・心療内科および人間環境学府の大学院生(博士課程)が在籍しています。

今回、精神科大学院生である3名の若手精神科医(松島敏夫・松尾敬太郎・久良木聡太)らとともに「精神科のくすり」に関する本を出版しました。

心理職(臨床心理士/公認心理師)・社会福祉士・看護師・保健師といったメディカルスタッフを主なターゲットとした本ですが、精神科に興味ある一般の方や、精神科医以外の医師あるいは若手精神科医にとっても役立つ内容を盛り込んでいます。

第一章と第二章において、グループ長が脳科学研究者でかつ精神分析家でもある立場から、脳とこころ/処方における無意識/プラセボ効果/新型うつ/ひきこもり/移行対象/先生転移といったトピックを交えて、
精神科で処方される薬に関してわかりやすく説明しています。

ひきこもっている方々の中には、精神科でお薬を処方されている方も少なくありません。処方内容を把握することで、その方への効果アプローチが見えてくるかもしれません。

ひきこもり支援に関わっている方々には、是非ともご覧になって頂ければと願っております。

下記サイトより購入可能です。

メディカ出版

アマゾン

 

【目次(抜粋)】

・【序文】薬剤について知ることはなぜ必要?

◆第1章 精神系のくすりの役割を知ろう!
■1 「精神系のくすり」とは
■2 代表的な精神疾患
■3 処方モデルの発展
【コラム】ニューロン以外の脳細胞:グリア

◆第2章 くすりの処方行動における心の交流
■1 服薬コンプライアンス、アドヒアランス
■2 多剤併用における無意識の罠
■3 新型/現代型うつ、社会的ひきこもり
■4 薬がつなぐ脳の世界と心の世界

◆第3章 よく処方される精神系のくすりについて知ろう!
■1 抗精神病薬
【コラム】
修正型電気けいれん療法(mECT;modified electroconvulsive therapy)
精神科の入院形態
CP換算(クロルプロマジン換算)
鎮静と過鎮静
ゼプリオン(R)とブルーレター
せん妄に使える薬剤
CPMS
<臨床現場をイメージしよう!症例紹介>
▶レボトミン(R)の鎮静作用が効果的だったうつ病の女性
▶急性興奮で入院となった40歳代男性
▶不適応感から身体症状が出現した女性
▶激しい躁状態を呈していた60歳代男性
▶リスペリドン頓用使用が奏効した30歳代男性
▶骨折で入院中の70歳代後半の男性
▶統合失調症に罹患している30歳代男性
▶被毒妄想により拒薬が続く統合失調症の50歳代女性
▶双極性障害うつ病相の男性
▶入院加療を要した統合失調症の30歳代男性
▶初発統合失調症の20歳代女性
▶双極性感情障害Ⅰ型の60歳代男性

■2 抗うつ薬
【コラム】セロトニン症候群
<臨床現場をイメージしよう!症例紹介>
▶痛みとうつをかかえる40歳代女性
▶認知症との鑑別を要したうつ

■3 気分安定薬
【コラム】バルプロ酸がなぜ処方されるのか
<臨床現場をイメージしよう!症例紹介>
▶双極性障害を発症した40歳代男性
▶双極性障害の50歳代男性
▶バルプロ酸により心理的介入がしやすくなった一例
▶精神病性亜昏迷と思われた60歳代女性
▶双極性障害の抑うつエピソードを繰り返す30歳代女性

■4 精神刺激薬

■5 抗不安薬、睡眠薬
【コラム】
ベンゾジアゼピン系薬剤の弊害と有益性
メラトニンそのものを増やせばよい?
ハルシオン(R)の規制
<臨床現場をイメージしよう!症例紹介>
▶不安を背景に多彩な不調をきたした30歳代女性

■6 抗認知症薬
【コラム】
認知症と運転
認知症での薬の管理はどうする?
認知症の薬はいつから?いつまで?
認知症のBPSD(行動心理症状)への対応
新しい認知症治療薬

■7 漢方薬
<臨床現場をイメージしよう!症例紹介>
▶漢方薬が著効した80歳代男性

■8 アルコール使用障害治療薬
【コラム】違法薬物・オピオイドなどの精神作用物質

■9 抗てんかん薬
【コラム】
てんかん重積状態
てんかんと運転
発作時の対応

◆第4章 精神系のくすりと併用されやすいくすりを知ろう!
■1 抗パーキンソン病薬
■2 むずむず脚症候群治療薬
■3 制吐剤、便秘薬、胃薬

〔お役立ち 薬剤リスト〕

 

一覧に戻る