KHJ全国大会「家族も支援者になることができる」「当事者目線」(2021年11月28日)

2021年12月01日

「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」(以下KHJ)は、全国各地のひきこもり家族会より組織されている日本最大のひきこもり支援を行っている特定NPO法人です。

2021年度(第15回)KHJ全国大会が、2021年11月27日・28日の両日開催され、二日目の分科会にグループ長が登壇しました。

(分科会の抄録)

分科会1テーマ「ひきこもり支援の人材育成について」
現在、厚生労働省「ひきこもり支援推進事業」等、ひきこもり施策が推進されており、支援に携わる支援者の質の向上も必須になってきています。今年度施行の改正社会福祉法でも行政機関をはじめとした多機関・多職種の連携が求められており、支援者が本人・家族の求める関わり方を理解し、支援力の向上、支援体制を充実させることが急務となっています。このような現状を踏まえて、KHJでは今年度「ひきこもり支援の人材育成に関する事業」を実施して、ひきこもり支援に求められる資質と援助技術について検討しています。本分科会では、研修体系や研修内容、支援者に何が望まれるのかKHJ事業の検討内容に基づき、支援体制の充実に反映する仕組みづくりを提言して参ります。
【コーディネーター】境 泉洋 (宮崎大学教育学部 教授)
【パネラー】斎藤まさ子(長岡崇徳大学 看護学部 教授) 加藤 隆弘(九州大学医学研究院 准教授) 丸山 康彦(ヒューマン・スタジオ代表)

 

(グループ長の感想)
境先生は、KHJによる「支援が必要なひきこもり」の定義(暫定版)を紹介されました。斎藤先生は、新潟でのひきこもり支援における実践と支援者育成のプロセスを具体的に紹介されました。不登校・ひきこもり経験をお持ちの丸山先生は、支援者が「当事者目線」で関わることの重要性を訴えておられました。私(グループ長)は、精神科医の立場からひきこもり評価システムの紹介とともに、大学病院で実践している家族向け支援プログラムを紹介しました。特に、「家族自身が最初の支援者になること」の重要性を訴えました。家族自身が支援者的な知識とスキルを身に付けることで、寄り添いながら適切な支援を家庭の中でスタートできるようになることを願っています。
分科会の中で、私が最も感銘を受けたのは、丸山先生がおっしゃっていた「当事者目線」のことです。支援者は、ついつい、「上から目線」になりがちです。ひきこもる方に接するとき、当事者目線による寄り添いながらの支援を心がけたいものです。

 

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